シロアリとはどんな生き物?見分け方や生態・対策方法をプロが完全解説!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2019.05.23 / 更新日 2023.12.15

シロアリについて

シロアリとはどんな生き物?見分け方や生態・対策方法をプロが完全解説! 

シロアリの全てが分かる

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「これってシロアリですか?」
「シロアリって怖い生き物なの?」
「シロアリの予防って大切ですか?」

普段からシロアリ駆除・予防を行っている私たちに、このような声を本当にたくさんいただきます。それほど、家に住む私たち人間にとってシロアリは結びつきの大きい生物なのです。

しかし、シロアリのことについて私たちは何を知っているでしょうか。そこでこの記事では、私たちがシロアリに抱くイメージや本来の姿など、シロアリに関してお伝えできる全てを解説します。

シロアリ1番!が選ばれる理由

これはシロアリ?【シロアリの見分け方】

元々シロアリは私たちの前には滅多に姿を見せることはなく、イメージがしづらい生き物です。しかも、地上に羽アリとして姿を表すシロアリは「白い」というイメージに反して「黒い体」になっています。そのため、家の中で目の前の羽アリがシロアリか黒アリ(普通のアリ)かをパッと判断するのは難しいかも知れません。そこで、いくつかのシロアリとアリを見分けるポイントをご紹介します。

シロアリの見分け方

注目していただきたいのは、次の3項目です。

  • 触角の形
  • 羽の色や模様
  • 体のくびれ

 

シロアリの触角が直線的であるのに対し、アリの触角はくの字に折れ曲がっています。また、シロアリの羽はくすんだ透明感のない色をしており、羽にある模様(翅脈:しみゃく)ははっきりとしていません。

一方アリの羽は非常に透明感があって透けて見え、羽の模様も大きくはっきりしています。体全体を見るとアリには明確なクビレがありますが、シロアリは胸から胴までがつながって見えます。

シロアリの羽アリ

アリの羽アリ

その羽虫(羽アリ)はシロアリかも!?

シロアリによる被害は、建物が被害にあっているのを発見するというケース以外にも、実際のシロアリを直接見つけることで発覚する場合もあります。特に4月〜5月にかけてはヤマトシロアリの羽アリシーズンとなっており、シロアリ1番!も「家の中で羽アリを見た」というお問合せをたくさんいただきます。

 
注意していただきたいのは、家の中で見かけるシロアリは多くの場合羽が生えており、体の色も黒色であることです。初めて見た人は「え?これがシロアリなの?」と疑ってしまうかも知れません。また反対に、シロアリかと思ったら別の虫だったというケースもあります。まずは「正体」を明らかにすることが大切です。

全国に生息するシロアリ、なぜ普段見かけない?

多くの人はシロアリについて「家を食べる悪い生き物」という印象を持たれていると思います。しかし、「実際に生きているシロアリを見た」という人は少ないはずです。これはシロアリが人目につかない場所で生活しているからです。

シロアリの侵入経路

シロアリは元々、光・風・空気などに直接触れることを嫌います。シロアリの肌(外皮)はとても弱く、光に触れると紫外線の影響で大きなダメージを受けてしまいます。そのため、シロアリは地中深くの大木の根元にコロニーとなる巣を構えながら、光の当たらない土の中を移動して暮らしています。

シロアリの生息域

私たちが直接シロアリを見かけることがないのは、そもそも生活圏が地上である人間と大きく異なることが原因です。しかし、実はシロアリは北海道の北東部を除いて日本全国のどこにでも生息しているのです。

ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布しています。

引用:(公社)日本しろあり対策協会

シロアリは蟻ではなく実はゴキブリの仲間

シロアリは「アリ」という名前が付けられていますが、実はシロアリは生物学上はアリとは違う生き物として分類されています。

シロアリ ゴキブリの仲間
アリ ハチの仲間

 
このように、シロアリはゴキブリの仲間で、アリとは全く違う昆虫なのです。その証拠に、シロアリとアリとでは卵から成虫になるまでの成長の仕方が大きく違っています。

シロアリとアリの成長の違い

シロアリは「卵→幼虫→成虫」という順番で成長し、幼虫と成虫ではほぼ見た目が変わりません。この事を「不完全変態」といいます。それに対してアリは「卵→幼虫→サナギ(蛹)→成虫」という順番で成長し、幼虫はアリのイメージとは異なるイモムシのような姿をしています。この事を「完全変態」といいます。

シロアリは「社会」で動く社会性昆虫

シロアリはアリではないのにどうしてアリと名付けられたの?と思う人もいるかも知れません。理由は見た目が非常に似ているということが挙げられます。しかし実はもう1つ共通点があります。それは社会性を持っているという点です。

シロアリの社会性

生まれたての幼虫の時点ではお互いに違いはありませんが、女王や王が分泌する特別なフェロモンの影響を受けてそれぞれの階級に「分化」していきます。女王や王を含め、すべてのシロアリは自分の「役割」を持っているのです。シロアリの社会は、以下の階級に分かれており、それぞれ見た目も異なります。

王・女王
女王と王は最初に巣を創設したペアとなるしろありです。もともとは翅の生えた羽アリで、ペアとなってからは巣の中でも最も奥深くの安全な場所で暮らし、卵を産んで子孫を残す事に専念します。職蟻や兵蟻などに比べて非常に長い寿命を持つのも特徴の1つです。
もっと詳しく:シロアリの女王を徹底解説!知られざる生活に迫る
副生殖虫 シロアリの副生殖虫
副生殖虫は、万が一女王や王が死んでしまった時にその代わりとなり巣を継続させます。特に女王の代わりとなる副生殖虫は実質的には女王の「分身」にあたり、副生殖虫の存在そのものが女王の非常に長い寿命の秘密です。
ニンフ
ニンフはシロアリの巣がある程度大きくなった時に、新しい女王・王となって自分の巣を作るために外に飛び出していくシロアリです。背中に未発達の羽がついているのが特徴で、この羽は脱皮を重ねるごとにしっかりと形作られていきます。
もっと詳しく:シロアリの「ニンフ」って?特徴や役割について紹介
兵蟻 イエシロアリの兵蟻
兵蟻は巣を外的から守る役割を果たします。職蟻に比べてアゴが大きく発達しているのが特徴です。名前からは攻撃的な印象を受けますが、実際の動きはシロアリの種類によって異なります。
職蟻 ヤマトシロアリの職蟻
職蟻は働きアリとしてエサの採取、女王が産んだ卵や幼虫の世話、巣の拡張など様々な役割を果たします。巣の中の9割以上のシロアリは職蟻であるといわれています。

 

シロアリは天敵だらけ!
シロアリは「建物を食べる害虫」というイメージが強いですが、自然界では非常に弱い生き物であり、たくさんの天敵が存在する事で知られています。しかしシロアリも様々な知恵を使って天敵から身を守ろうとしています。
シロアリは人間よりも遥かに長い間地球上に存在する生き物ですが、それもシロアリが様々な知恵を出して考えた生き残りをかけた作戦の結果であるといえるでしょう。

シロアリは人間の建物がエサ

シロアリは地球全体の環境という大きな目で見れば大切な役割を持っています。シロアリが木を食べてくれないと、地球上は枯れ木であふれかえってしまうことになります。シロアリはなくてはならない存在なのです。

シロアリの餌

しかし、シロアリのエサである「木」を住み家にしている私たちとの相性はあまりいいとは言えません。木をふんだんに使っている私たちの家はシロアリにとっては絶好のエサとなってしまいます。

床下に侵入したシロアリは、基礎や束柱(床下の柱)を通り家屋の木材に到達します。その時、シロアリは光や風に触れることを嫌うため蟻道(ぎどう)と呼ばれる自分の分泌物や土を混ぜ合わせて専用のトンネル状の道を作ります。

シロアリの被害

私たちの家に侵入したシロアリは、床下の土台や柱を食害します。木材は全て食料ですから、被害が進行すると床材や内装材、窓枠などの木材にまで食害が及びます。普段の生活でシロアリ被害に気づくケースの中で多いのは、フローリングや玄関の框(かまち)などに穴が空いているのを発見するケースなどです。

シロアリはコンクリートを通過できる

シロアリが普段は土の中に生息し、土から床下に上がってくるということは、床下がコンクリートで覆われていれば大丈夫なのでしょうか。実は多くの方が「コンクリートなら大丈夫」と思われています。しかし、私たちシロアリ駆除業者の視点でお話をすると、コンクリートで覆われた住宅でもシロアリ被害はよく見ます。

ベタ基礎からのシロアリ侵入

それは稀なケースでもなく、床下が土やシートの場合と同様に一般的に見られる現象なのです。構造や防湿上は全く問題が無いのですが、小さな昆虫であるシロアリからすれば、たった0.6mmの隙間があれば通ることが出来てしまいます。

鉄骨造でもシロアリ被害に遭う可能性がある

鉄骨造ならばシロアリの心配はしなくても大丈夫と思われるかもしれません。確かに主要構造材はシロアリの食害は受けません。しかし、鉄骨でも床を組む束(つか)、大引(おおびき)、根太(ねだ)などの床組材や、内装材である幅木、上り框、敷居、フローリングなどには木材が使用されているため、シロアリ被害は木造住宅同様に発生しています。

加圧注入材を使っていてもシロアリ被害に遭う可能性が

住宅の中には構造体に加圧注入材を採用しているものもあります。加圧注入材は防腐と防蟻の効果が施されている木材ですが、加圧注入材を使っているからといって建物自体にシロアリの心配がなくなるわけではなく、実際に被害に遭っている物件が多く存在します。それは、すべての木材が加圧注入材を使用しているわけではないことや、加圧注入材にはシロアリの建物への侵入そのものを止める働きがないことが原因です。

シロアリかな?と思った時は

家の中で大量の羽のついたアリが発生したり、ボロボロになった建物を見つけてしまった時には思わずパニックになってしまうかも知れませんが、大切なのは「冷静に対処すること」です。

シロアリを見つけたら取るべき行動

というのも、羽アリには建物や人間に害を及ぼすことはありませんし、シロアリが家を食べるといっても数日程度の僅かな期間で被害が大きく進行することはありません。焦ってしまうと冷静な判断ができなくなり、悪徳業者に高額な費用を払ってしまった、というような更に悪い状況に陥ってしまうリスクも大きくなります。まずは落ち着いて現状を正しく認識することが、適切な行動につながります。

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殺虫スプレーは使わないこと

家の中に羽アリが発生すると「とりあえず殺虫スプレーを使おう」と思いがちですがそれは表面的な対処法にしかならず状況を悪化させてしまうリスクがあります。家の中に発生した羽アリを駆除するときは、ビニール袋や掃除機で対応するようにしましょう。

また、最近では殺虫成分の含まれていない冷却タイプの殺虫剤も販売されています。これならシロアリや羽アリが薬剤を嫌がる恐れがないので使用しても大丈夫です。ただし、一時的な対処にしかなりませんので、専門業者に依頼するまでの応急処置として理解しておきましょう。

業者に調査を依頼するための準備をしよう

シロアリの被害が疑われる場合はまずは専門家に見てもらうための準備を行いましょう。具体的な準備を下記にまとめます。

  • 落ちていた羽や羽アリを保管しておく
  • 建物の図面がある場合は用意する
  • 点検口がある場所を確認し、中の荷物を整理しておく

駆除費用は業者により異なる

シロアリ駆除にかかる費用は、保証の有無や施工単価の計算方法、業務形態などによりまちまちです。しっかりとサービスの内容に見合う価格なのか、サービスを保証してくれる信頼性のある業者なのかをしっかり分析しておくことが大切です。

シロアリ業者には大きく分けて、駆除業者の紹介だけを行う集客会社完全自社施工でシロアリ駆除を行う会社2つの業態があります。この2つのシロアリ駆除会社の関東地方における費用の相場は以下の通りです。

駆除業者の紹介だけを行う集客会社 ㎡単価:900円~1,500円
完全自社施工型のシロアリ駆除業者 ㎡単価:2,000円~2,800円

シロアリを駆除・予防する方法と考え方

シロアリ対策については、シロアリ駆除、シロアリ予防、シロアリ防除など様々な呼び方があります。それぞれ住宅へのシロアリ対策という同じ意味を持ちますが、専門的には下記のように区別しています。

シロアリ駆除 シロアリ被害のある住宅に対して駆除を行うこと
シロアリ予防 シロアリ被害のない住宅に対して予防的処理をすること
シロアリ防除 被害の有無に関わらず住宅に対して駆除・予防処理をすること

 
つまり、私たちシロアリ業者が行っているのは基本的にシロアリ防除なのです。そして、住宅の状態やお客様の意向に応じて工法を使い分けてシロアリから家を守るのが私たちの役目となります。当コラムでは、各工法の解説記事を多数ご用意していますので、あわせてご覧ください。

 
また、シロアリ1番!は「シロアリに食われて泣くよりまず予防」をモットーにシロアリの「駆除」ではなく「予防」をあらかじめ実施することをおすすめしています。被害に遭ってからシロアリを駆除するのではなく、建物をあらかじめ食べられないようにしておくのが大切だということです。シロアリの対策は基本的には床下への薬剤散布により行いますが、薬剤の効果は時間が経てば消失するので、「1回やってそれでおしまい!」というわけにはいきません。決められた期間ごとに継続して行うことが大切なのです。

まとめ

ここまでシロアリについて、生態、家に及ぼす被害、駆除方法など様々な視点でシロアリをご紹介してきました。シロアリは地球上では”益虫”として無くてはならない存在です。しかし私たちが住む住宅もまた大切な財産であり、無くてはならないものです。

もともとシロアリが暮らしていた土地に、上から家を建てて暮らし始めたのは私たち人間ですので、シロアリが餌である住宅の木材を食べてしまうのは必然なのです。そんなシロアリと共存しつつ、住宅の劣化を防ぐために大切なのはやはり予防です。

事前に予防処置がなされていれば、住宅がシロアリの劣化を受けることも、シロアリを無闇に殺虫することも無くなります。これをきっかけに、住宅の健全化とシロアリ予防に対する意識が広まっていけば嬉しいです。

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「クリーンなイメージとしてのシロアリ防除業界のパイオニアであり続ける」。私たちシロアリ1番!は、安心で確実なシロアリ駆除・予防をご提供するため、お客様のことを第一に考えたサービス作りをします。点検・工事・お見積りのことなど、シロアリ対策でお困りの点がありましたらお気軽にご相談ください。

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